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セミナー報告

日本相続学会東海ブロックオープンセミナー「新型コロナウイルスの不動産市場への影響」開催報告

2020年10月14日(水)に一般社団法人日本相続学会東海ブロックオープンセミナーが開催され、三輪勝年先生(不動産鑑定士、株式会社三輪不動産研究所代表、有限会社サテライト・コンサルティング・パートナーズ名古屋代表)を講師にお招きし、新型コロナウイルスの不動産市場への影響をテーマに講演をしていただきました。
この講演は、もともと7月に開催をすべく今年初めから準備をしていたものですが、新型コロナウイルス感染症のまん延によって延び延びになり、今回開催にこぎ着けたものです。
新型コロナウイルス感染防止のため、会場(収容人数54名の会議室)での受講者を20名に限定しました。その代わり、オンライン受講を希望する方に、講演をオンラインで配信するという新しい試みをしました。

講演の内容

三輪先生からは、「コロナショック」、「名古屋圏不動産市場へのコロナインパクト」、「Withコロナにおける意識・行動変容」という三部構成で講演いただきました。

第1部では、世界各国、日本、都道府県、名古屋市、名古屋の行政区でのコロナウイルス感染者数、死者数、重傷者数の広がりと推移、街の人出の状況、名古屋の主要百貨店の売上や主要ホテルの稼働率など統計資料を示しながら、コロナの影響を概観しました。

第2部では、コロナの影響前と後の地価の動向を統計資料を示しながら概観しました。三大都市圏の中で名古屋圏の地価に元気がないようなのが少し心配に思えました。

第3部では、新型コロナウイルスの各業界への影響、新型コロナウルスによるビジネスの変化、人々の意識・行動変容、社会・オフィス・住宅・都市のあり方の変化、建築・不動産に関する仕事への影響などについて、チャートやマトリクスを示して概観しました。

今年の相続税の不動産評価は不動産鑑定士に相談を!

相続税路線価の価格基準日は1月1日です。
しかし、今年の1月にはまだ新型コロナウイルスは認識されていませんでした。つまり2020年の路線価は、新型コロナウイルスによる地価の下落を反映していないということになります。

相続税の課税価格は、「当該相続財産の取得の時における時価」によるとされています(相続税法22条)。時価は、原則として「財産評価基本通達(路線価の方式)」に準拠してもとめます。
しかし、2020年の路線価は新型コロナウイルスによる地価の下落を反映していないのですから、現在の時価を正しく反映していません。

国税庁の見解は、「相続税の申告において、土地等を評価通達に基づく路線価評価で算定した価額が適正な時価を大幅に上回る場合は、必ずしも路線価評価で申告しなくてもよい」としています。

つまり、新型コロナウイルスの影響で地価が大きく変動し、コロナ禍前の1月1日を基準日とする路線価が相続開始時点の適正な地価を大幅に上回る場合には、路線価評価で申告しなくてもよい、ということになります。

それでは、誰が「適正な時価」を証明するのでしょうか。
不動産の価格判定を行う唯一の国家資格者は不動産鑑定士です。つまり、適正な価格を証明するのは不動産鑑定士です。
適正な時価を証明し、過大な相続税を支払うことがないように、不動産の評価判定を不動産鑑定士に相談しながら進めていきましょう。

感想

三輪先生には、一昨年(2018年)の4月にも、相続学会東海ブロックで地価と不動産投資市場の動きについてご講演いただき、大変好評でしたが、今回もデータをグラフやチャートで示しながらとてもわかりやすく講演いただき大好評でした。
三輪先生、素晴らしい講演をありがとうございました。

オンライン配信は不慣れなため改善しなければならないところも多々ありましたが、コロナのお陰で新しいチャレンジができて、これまで仕事で開始時間に間に合わなかったり、遠方であったりして受講できなかった方々にもセミナーに参加いただくチャンスができました。

次回以降のセミナーでは、東海圏以外の方々にもオンライン配信で受講いただけるよう、準備を進めていきたいです。

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