名古屋の弁護士 さくら総合法律事務所

個人法務コラム

相続・遺言コラム

解決事例遺言により内縁の妻に自宅を承継した事例

ご依頼主
年齢

60代

性別

男性

事例の分類

遺言

事例の概要

ご相談内容と状況

相談者は末期癌で余命宣告をされて当法律事務所に相談にいらっしゃいました。
相談者には妻と息子が一人いましたが、長年月別居しています。妻とは離婚が成立せず、籍が残ったままになっています。
相談者は妻と別居後、内妻と生活を始め、内妻との間に娘を一人もうけて認知しています。相談者は内妻と娘とともに相談者名義の自宅で生活しています。
相談者は、自分の死後、内妻と娘が自宅に住み続けられなくなることを心配して、解決を求めて当法律事務所にいらっしゃいました。

弁護士の対応

相談者の資産は、自宅土地建物の他、若干の預金のみでしたので、自宅土地建物を内妻との間の娘に相続させ、預金を妻と妻との間の息子に相続させるとの遺言を作成することにしました。妻と息子の遺留分を侵害する内容なので、遺留分減殺請求がなされるおそれについても説明し、その危険があっても自宅を内妻と娘に残すためにはこの方法が得策との結論に至りました。
容態の急変に備えて、相談当日に自筆証書で遺言を作成したうえ、すぐに公証人に予約を入れて、直近の日に、公正証書遺言を作成しました。相談者の死後に妻と息子に遺言の存在と内容を通知する事務についても受任しました。
公正証書遺言作成の1か月後、相談者が亡くなりました。担当弁護士から妻と息子に遺言の存在と内容を通知しました。

結果

妻と息子から、遺留分を減殺する旨の通知が送付されてきましたので、内妻と内妻の娘が代償金を工面して減殺に応じました。

解決のポイント

内妻と娘の居住を確保するために早急に遺言を作成しました。作成後、程なくして相談者が亡くなりましたので、対策が間に合って良かったというケースです。
遺留分を侵害する内容の遺言にせざるを得ませんでしたが、代償金の支払いを確保できたため、内妻と娘は自宅で引き続き生活をすることができました。

実際の事例を題材としておりますが、個人情報保護の観点から変更を加えている場合があります。

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